企画プログラム「寝たきりを福祉工学で救えるか」

オーガナイザー:木之瀬 隆(首都大学東京 健康福祉学部 作業療法学科)

開催日・会場

各15分発表

  1. 「寝たきり」の現状報告と問題提起
    • 司会 木之瀬 隆、河合 俊宏(埼玉県総合リハセンター) 
  2. 医療機関での現状と取り組み
    • 松井 典子(看護師、東京大学大学院医学系研究科老年看護学/創傷看護学分野)
  3. リハビリテーションでの現状と対策
    • 新田 淳子(作業療法士、特別養護老人ホーム)
  4. 工学系:「寝たきり」改善する支援機器とは
    • 三宅 徳久(パラマウントベッド)

企画説明

 重度障害のある人の自立支援を行う場合、スタートは、「いかにベッドから離れられるか」であり、そこに関連する寝たきりの現状理解と福祉工学への期待をこめて企画を行いました。シンポジウムの目的は医療福祉の抱える「寝たきり」状態の現状を、パネリストより看護と褥瘡の視点、リハビリテーションとヒヤリ・ハットの視点、ベッド関連の支援機器開発のエンジニアの視点より問題提起をして頂き、工学系の参加者に理解してもらうねらいです。それらに対して、全体での議論を行い発展的な展望へと継げられたらよいかと考えています。はじめに「寝たきり」の定義について紹介します。

 寝たきり(bed-ridden):本来は行政用語で、身体的、精神的な疾病・障害のために、1日中、しかも長期で6ヶ月以上を経過し、日常生活を行ううえで介護の必要な状態をいう。原因はさまざまであり、最初から障害が重度で、寝たきりになったものは少なく、はじめはわずかな障害がきっかけで、過渡の安静が廃用症候群の悪循環をつくり、寝たきりとなるものが多い。(リハビリテーション医学大辞典、介護福祉用語辞典より)

 「寝たきり」はこの20年間で北欧の在宅支援ではなくなったとの報告もあります。寝たきりという状態は、本人が起きたくとも起きることができない状態であり、本人の意思で寝ているわけではありません。日本では、医療現場での手術や検査法での医用工学の目覚しい発展は言うまでもありませんが、高齢者・障害者の在宅支援、施設支援では、高機能な福祉用具の活用は非常に遅れています。例えば、「寝かせきり」の高齢者をフォークリフトでなく、人の手のようにして寝具から離れる方法を福祉工学では提案できるのでしょうか。


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